2021/11/18 19:25
DaysEyeGardenオリジナルマットの各エリアの意味と描かれたシンボルは、箱庭療法の解釈の際に参照される空間図式から着想を得ています。

~箱庭療法の解釈を応用~
箱庭療法の解釈② グリュンワルドの空間図式
以下の図は箱庭療法をはじめコラージュ療法など様々なアートセラピーの解釈において信頼され、広く活用されている図式です。
(※年齢によるバリエーション等、様々な解釈が存在します)

マット作成にあたり、以下の文献を参考にしました。
【参考文献】
『子どもの心がわかる本』
秋山さと子(著)・独楽書房
『コラージュ療法入門』
森谷寛之・他(著)・創元社
箱庭療法において、確固たる解釈や理論は存在しません。
上記参考文献も事例に基づく臨床的特徴をまとめたものであって、「ここにこの玩具を置いたら、こういう意味」等の解釈や理論を説明しているものではありません。
また箱庭療法は、同法に精通している心理臨床家の元で行われなければならず、専門知識と臨床経験のない人が解釈することは出来ません。
箱庭を作ると想像以上に疲れますし、作った箱庭と向き合う時間も含め、専門家の観察とコントロールを必要とします。
言葉を使わないコミュニケーションツールとして子供のカウンセリングに有用とされる箱庭療法ですが、児童カウンセラーをしている方に伺ったところ、現在はあまり使われていないそうです。
理由は…
・道具を揃えるのに費用がかかる
・道具を保管する&展開するために広いスペースが必要
(※上記の理由から、研究機関や大学には施設が整っています。)
・玩具で遊び始めてしまう子もいる
・箱庭療法のセラピー効果自体が疑問視されている
等々。
一方で、樹木を描くポピュラーな心理テスト(バウムテスト)はよく使用され、箱庭療法と共通する空間図式を参照して解釈されているそうです。
でも、「紙に樹木を描いて」と言われると、多くの人が紙の中央に木を描きやすいですよね。
箱庭療法の特徴とも言える‘マンダラ’が見られることも少ないでしょう。
玩具を何かに見立てて物語を作り、それを立体的に表現することで自分の心と向き合い、気づきを得る箱庭療法に他のツールでは代用出来ない魅力をずっと感じていて、チャームキャスティングに出会った時、マットにチャームをキャストする時の感覚が箱庭を作る時のものとシンクロし、マットのデザインに箱庭療法の解釈を取り入れることを思いつきました。
コミュニケーションツールとして
箱庭療法には何人かで一つの箱庭を作るグループワークもあります。
チャームキャスティングも、2人以上でチームを作ってキャストしたチャームで物語を作ったり、意図的に動かしてストーリーを展開させる中で感情が動いたり、心模様に変化が生じることが期待できます。
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少し主旨は違いますが、以前、私が「私について教えて」とキャストしたチャームです。
「みんなと楽しいことを共有したくて(イルカ)、何か勉強している(ペン)。根性で頑張ってるけど(アンカー)、内弁慶(仮面)で発表するのがヘタ」と解釈したんですが。
見ていた小狡い夫(チャームを引くとキツネ頻出)が勝手にチャームを動かし、
「違うよ。イジメっ子のドロンジョ様だよ」・・と。 ↓
(仮面の人がイルカに重しをつけて、いじめてる図らしいです。)
「は?何言ってんの?」と反論しながらも、そう言われてしまうとそうとしか思えなくなってしまったり(確かに、家の中で私はイジメっ子)。
夫が私のことをどう思っているのかが、よく分かりました。
キャストされたチャームを見て印象を語り合ったり、誰かが置いたチャームを動かしたり、新たなチャームを加えて物語を作ったり。
童心に戻って「遊び」の中で他者と関わり、チャームに意味を持たせ、ストーリーを動かしてみると新たな発見があります。
想像力を働かせながら浮かんできたイメージを手を動かして『具現化』することで、自分自身の思いがけない側面を見出したり、秘めていた願望を目の当たりにすることもあると思います。
一連の作業の中で脳内にイレギュラーな刺激が加わり、大袈裟ではなく、新たな能力を発動させることもあり得るんじゃないかと思っています。
グループでチャームキャストしながら物語を作るワークショップ、ぜひやりたい!
お友達やカップル、親子のコミュニケーションツールにもなるチャーム&マット。
考えても中々たどりつけない答えを、楽しく遊びながら得る為のツールとしても、ぜひご活用いただきたいです。